訪問マッサージと理学療法士

目的と対象者について

マッサージ師が行うリハビリ

筋肉の麻痺や関節の拘縮などの症状があり、歩行が困難な人や寝たきりの人、主治医により医療マッサージの必要性が認められた人が対象となります。
具体的には脳梗塞やくも膜下出血などで後遺症のある人、脊髄損傷、関節リウマチ、パーキンソン病、変形性膝関節症、変形性股関節症などの疾病で日常生活が困難な方です。
ただし、これらのような疾病が原因でなくても、身体機能の低下(廃用症候群)や手足の麻痺や関節の拘縮があり、医師がマッサージが必要と認めた場合は病名に関わらず、受けることができます。

理学療法士が行うリハビリ

理学療法士や作業療法士が利用者の自宅を訪問し、体の機能を維持、または回復させる目的で、日常生活の自立を助ける為にリハビリテーションを行います。
介護保険で介護認定された方や、通院が困難な方で、訪問リハビリテーションを希望し、医師が必要と認めた方が対象となります。
平成18年度の医療改正から、受傷した経過日数により外来リハビリ打ち切りが施行されたため、介護保険での訪問リハビリが注目を浴びています。

効果について

マッサージ師

高齢で関節に痛みのある方や病気等で体力低下が著しい方に対してもマッサージは身体に負荷をかけることが少なく、しかも疼痛の発生を極力おさえながら手足・体幹の関節運動を行うことができます。
マッサージは、本人にやる気がない場合でもある程度の効果が得られます。
マッサージの心地よい刺激は精神を安定させ、症状の緩和に向けてやる気を起こすことができます。
※ マッサージの効能
ア.血液循環の改善
褥瘡や筋肉の萎縮を防止し、浮腫の回復を早め、身体全体の機能を高めます。
イ.精神的安静
マッサージの心地よい皮膚刺激は高齢者の精神的な安静をもたらし、生活や生きることに対する意欲を引き出す効果があります。
ウ.関節可動域の改善
マッサージと共に行う手足の運動は疼痛が少ないため無理がなく、関節可動域の保持、拡大に役立つ高齢者に優しい機能訓練となります。
エ.運動機能の向上
能力に応じて寝返り、坐位バランス、四這い、立位バランス、杖歩行、歩行訓練など段階を追って日常の運動機能の向上に努めます。
オ.生活リズムの形成
定期的に訪問することで暮らしにメリハリができ、不意の事故等にも対応可能です。

理学療法士

高齢で関節に痛みのある方や病気等で体力低下が著しい方にとって運動を主体とする機能訓練は、時として負担になることがあります。
機能訓練は、本人にやる気がないと効果がでにくいです。

施術者について

訪問マッサージ

あん摩マッサージ指圧師が行います。

訪問リハビリ

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師などが行います。

適用保険について

訪問マッサージ

医療保険を利用し、特に利用制限額、期間および回数制限はありません。

訪問リハビリ

介護保険を利用し、利用制限額があります。限度額を超えると自費負担となります。
限度額の中で訪問介護、デイサービス、ショートステイ、訪問看護、福祉器具のレンタルなども利用します。

自己負担について

訪問マッサージ

加入保険により自己負担(1~3割)が異なります。
ただし、特定疾患、生活保護、身体障害者の方は、自己負担が公費で賄われることもあります。

訪問リハビリ

身体障害者でも原則1割負担です。

教育と資格について

あん摩マッサージ指圧師

3 年以上の教育と国家試験の合格が必要です。
試験科目及 12 項目(あん摩マッサージ指圧師国家試験
1.解剖学、
2.生理学、
3.病理学概論、
4.臨床医学総論、
5.臨床医学各論、
6.リハビリテーション医学、
7.東洋医学概論・
8.経絡経穴概論、
9.あん摩マッサージ指圧理論及び東洋医学臨床論医療概論(医学史を除く。)、
10.衛生学
11.公衆衛生学、
12.関係法規

理学療法士

3 年以上の教育と国家試験の合格が必要です。
試験科目及 7 項目(理学療法士国家試験
1.解剖学
2.生理学
3.病理学概論
4.臨床心理学
5.臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法
6.リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)
7.運動学

施術内容

あん摩マッサージ指圧師

あん摩、マッサージ、指圧の各手技(なでる・押す・揉む・叩くあらゆる行為)を用いて、人体の変調を改善する東洋医学に基づく療法です。

理学療法士

主に病院やリハビリテーション施設、介護保健施設、介護老人福祉施設などで、病気や事故などで障害を負った方に対して、基本的な動作能力を最大限に回復し、発揮できるための医学的リハビリテーションを行います。

マッサージ施術(法律上の考え方)

あん摩マッサージ指圧師

独立した判断でマッサージを行えるのは、あん摩マッサージ指圧師と医師のみです。

理学療法士

医師の指示下では、理学療法士もマッサージを行えます。
病院や診療所の外で医師の指示がない場合は、理学療法士の資格を持っていてもマッサージを行うのは、違法行為です。
《参考》
『あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律』
第1条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
『理学療法士及び作業療法士法』
第15 条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203 号)第31 条第1項 及び第32 条 の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。
理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 (昭和22 年法律第217 号)第1条の規定は、適用しない。

業務的なことについて

あん摩マッサージ指圧師

独立して業務を行うことができます。
例:ご家族が介護で疲れて腰痛や膝の痛みがある場合、自費であれば独自の判断で、ご家族にマッサージ施術が行えます。

理学療法士

医師の具体的な指示がない限りは、ご家族に対してマッサージを行うのは違法行為となります。
医療保険の適用について

あん摩マッサージ指圧師

医師の同意書があれば、健康保険での施術が可能です。

理学療法士

理学療法は医師の指示により行われますので、医療の範疇(リハビリ)として健康保険が適用されます。
主な施術者について色々な師と士の違い

あん摩マッサージ指圧師

直接皮膚に施術することで循環の改善を目的にした治療を行う専門職です。

はり師・きゅう師

薬や手術などに頼らないで、鍼・灸を使い病気の回復や健康維持に役立て、健康回復を目指す専門職です。

柔道整復師

ほねつぎ・接骨師・整骨師として広く知られており、打撲や挫傷、骨折・脱臼などの施術をする専門職です。

理学療法士

何らかの病気、傷害を負った方に対して運動療法を行ったり、および温熱、水、光線、電気などの物理療法によって痛みなどの改善を図る治療を行う専門職です。

作業療法士

何らかの病気、障害を負った方に対して、日常生活動作を繰り返して練習したり、実生活に近い場面を想定した練習を行う専門職です。リハビリの際には、編み物や革細工などの手工芸などを用いることがあります。

言語聴覚士

病気や交通事故、発達上の問題などで話す、聞く、食べる、飲むといったことに問題を抱えた方に対して、援助を行う専門職です。

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